国際不動産評価情報 |
米国不動産鑑定協会教育プログラムのご紹介(2) |
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平成23年3月 国際評価基準等検討小委員会 国際評価関連グループ座長 鈴木 雅人 |
| 前回の掲載から約1年経ちました。現在MAI資格者13名を含む約45名の方々が、Appraisal Institute (米国鑑定協会)に参加されております。今回は、AIアソシエイツとして最近活動を始められた会員のご意見、前回から変更のあった教育プログラム、そしてMAI取得後に日本において英国のMRICSとなる具体的な方法の情報発信を致します。これらの情報が、皆様のご参考になれば幸いです。 |
Ⅰ 最近参加された会員のご意見 |
| 大和不動産鑑定株式会社 浅野 美穂 |
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大和不動産鑑定株式会社の浅野と申します。2010年6月にAIアソシエイツ会員に登録し、MAI取得の勉強を開始しました。 MAI取得を目指したのは、いつか英語圏で住んでみたいと夢をもっていながら、普段、英語と接する機会が極めて少なく、英語に触れるきっかけになればと考えたことからです。英会話スクールに行ってもすぐには上達しないし、仕事が忙しくなるとサボりがちになるし、かといって、今更TOELCでハイスコアをとることを目指してもなぁ~とぼんやり考えていました。英語をまた勉強したいなと考えだしたタイミングとMAIが国内で大半が受験可能となったタイミングがほぼ同じで、いい機会だなと感じました。また、会社もグローバル化を目指し、援助してくれるとのことでしたので、やってみようという気持ちになりました。 勉強を始めようと思ってからあれよあれよと日が経ち、約1年が経とうとしています。 私の現段階は、必修2科目(Business Practices and EthicsとIntroduction to IVS)を終え、専門科目にとりかかる前の段階です。実際勉強を始めてみた感想は、鑑定理論はほとんど日本のもの類似しているので何が書いてあるかはだいたいわかるのですが、英語をすっかり忘れているので苦労しています。大学受験のときにあんなに勉強したのに!我ながらびっくりしました。ただ当初の目論見であった「普段から英語に触れるようにする」という良いきっかけにはなりました。私の場合、英語の頭に切り替わるのに時間がかかるため、まとめて勉強する時間を取る必要があるのですが、なかなか勉強のペースがつかめないまま日が経ってしまいました。ただ、時間をかければクリアできない試験ではないので、なんとかなるなぁとは期待も込めてそう考えております。 最後になりますが、多くのMAIの先輩やアソシエイツの皆様方にこの場を借りて感謝します。なんとか勉強が続けられているのは、みなさんのお声掛けのお陰だと考えております。 |
| 株式会社 中央不動産鑑定所 島原 慎司 |
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株式会社中央不動産鑑定所の島原と申します。2010年8月にAIアソシエイツ会員に登録し、MAI取得の勉強を開始しました。 MAI取得を目指すきっかけは、MAIの受験がほとんど国内で可能となったことを受けて会社がMAI資格を奨励したことです。会社からは、日本の不動産市場のグローバル化が進んでおり、鑑定機関についても海外投資家との間の情報交換の必要性が益々高まっていくため、その対応の一つとしてMAIの取得が必要と考えていると聞いています。私も不動産鑑定評価を行う上で英語の必要性が年々高まっていくだろうとの思いがありましたので、この機会にMAIの勉強を通じて海外の鑑定評価基準を学ぶとともに、英語力も身に付け、今後英語を必要とする業務を行う上での土壌にしたいと考えました。現在、社内では私を含めて2名がMAI取得を目指しています。 勉強を始めてから約半年が経ち、必修2科目(Business Practices and EthicsとIntroduction to IVS)を終え、専門科目の510(Advanced Income Capitalization)に取り掛かっているところですが、不動産の用語など英語力不足のため、各科目の標準勉強時間を大幅にオーバーしている状況です。例えば、Business Practices and Ethicsの科目では、Web上で簡単な質問に英文で答える課題があり、当初は2~3行の英文を書くのにも苦労しました。ただし、徐々に英語に慣れてきており、内容自体は理解しやすいものがほとんどであることから、何とかこなしていけそうな感触を持っています。 これから勉強の難易度も上がっていきますが、内容の理解も当然のことながら、現地での講義や最終の面接に向けて英語力の向上も課題と思っています。 |
| 日本ヴァリュアーズ株式会社 笹川 清 |
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日本ヴァリュアーズ株式会社の笹川と申します。2010年6月にAIアソシエイツに登録いたしました。この度、MAI挑戦中の諸氏の中から、その経緯や近況をご報告することになりました。これから挑戦を検討されている方の参考になればと思いますが、あくまで個人的な感想ですので、その点はご了解ください。 私がこの資格の取得を決意したのは、外資系のクライアントからの依頼などもある中で、日本の鑑定評価基準や留意事項について説明する機会があり、これに対して海外の評価基準や具体的な評価手法について常々知りたいと思っていたことが一つあります。また、日本のパイオニアとしてアメリカの不動産関連資格を保有している方々にお目にかかる機会があり、ゆくゆくは海外の評価関連資格をきちんと勉強したいと考えていたことがあります。とはいえ、MAIの大変さはかつて留学しなければ取れない時代のことを考えれば、現実的にはちょっと難しいと思っていました。 最近になって、カリキュラムのほとんどが国内で受験できること、また試験制度そのものが簡略化されつつあることなどが分かりました。そして、知り合いの鑑定士の中でも、すでにほぼ国内受験で取得された方、受講を始めた方などが多くいる中で、元気なうちにもう一踏ん張りという決心に至ったわけです。 IVSがBS上の資産の評価基準として認知が進む中、その他RICSあるいはUSPAPといった海外の評価基準等との違いを理解しておくことは今後の仕事にとって大いにプラスになるであろうと考えています。 私の場合国内受験できる4科目のうち今3つ目に取り掛かっている状況です。今のところ平日は仕事の後のわずかな時間と週末のどちらか1日を使って、1科目3ヶ月程度かかっています。これまでの勉強の感触としては評価の基本的な考え方は日本の基準と変わらないと思います。ただし、手法の適用にあたっては色々と日本との違いを感じる箇所などがあります(テキスト上での話しなのでどこまで現場と一致しているか分かりませんが)。 今の進捗状況では資格を取れるのはまだちょっと先になりますが、こつこつやればなんとか取れると思っています。 この後、4つ目の科目を終えたら、ライティングのクラスをアメリカで受講します。これはちょっと厄介ですが、同じくらい楽しみでもあります。 以上、非常に簡単で恐縮ですが、私の受講の動機と現在の雑感です。すでに多くの方が挑戦しておられると思いますので、意外と身近に受講者が見つかると思います。 |
Ⅱ 405コース(前回の540コースの代替)のご紹介 |
| 森井総合鑑定株式会社 藤田 洋美 |
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1. 自己紹介 はじめまして。藤田洋美と申します。540に替わるコースとしてGeneral Appraiser Report Writing & case studies (405G)を2010年11月9日~12日の4日間の日程で受講してきました。受講した場所は、イリノイ州のシカゴです。コースの内容と受講した感想をまとめました。 2. コースについて (1)事前準備について コースの要綱ではテキストが事前に送られてくると書いてありますが、米国外については別らしく、私は現地受け取りとなりました。火曜日から授業が開始だったので月曜日の朝にオフィスに立ち寄り、テキストを受け取りました。事前にテキストが入手できない場合はコースの参考書籍である”The Appraisal Writing Handbook”を渡米前に読んでおくことをお勧めします。 (2)講義ついて ① 全般 初日は朝8:00から8:30までに登録等の手続きがありますが、2日目からは基本的には、8:30から12:00まで休憩をはさみながら講義が行われ、1時間のお昼休みののち17:00まで講義という形式で4日間のスケジュールで行われました。休憩室に軽食やコーヒーが用意されており、リラックスした雰囲気でした。 講義は、基本的にはテキストに添って、講義を聴くという形式でした。実際にCase Study の事案を評価するということはありませんでしたし、関数電卓も使いませんでした。 講義では、鑑定評価書の利用者が理解できるように鑑定評価書を書くために、正確な文法、簡潔な言葉や表現を用いること、専門用語を無駄に使用しない、表やグラフを効果的に用いること、論理的で一貫性のある文章を書くことに重点が置かれ、小問題やWriting Assignments での練習で実際に学んでいきます。 基本的には、講義を聴く形式ですが、受講生はどんどん質問し、活発に議論をしており活気がありました。本題からそれて、問題の設定がおかしいとか話が派生していく場面もありました。また、エクセルでグラフを実際に作成したりと自分で作業する時間もあったり、Case Studyについて数人で集まってどう考えるかを話したりする時間もありました。 ② Writing Assignmentsについて 私の場合は講義初日に課題のリストが配られ(6問程度)ました。課題の内容は、鑑定評価書の中の一部分を書くものでした。 受講生はそのうちの1問は提出日が決められ、残り5問は最終日の朝までにメールで提出するという形でした。その趣旨は、講義中に受講生が書いたものをサンプルとしてスクリーンに映し出し、授業の題材にするためです。スクリーンに映し出されたサンプルみて、良い点、悪い点を講師、受講生が意見を出し合います。指摘の内容は、文法や語法等が中心ですが、余白の取り方やフォント、表の形式の選択等内容だけでなく、見た目にも及び分かりやすい文章、見やすいレイアウトを心がけるように言われました。 課題の中にはどの範囲まで、どれくらいの量を書けばいいのかよくわからないものもありましたが、授業中にスクリーンに映し出されたものも参考にして、最終日の提出までに修正したりしました。皆さん、工夫を凝らして課題を作成されており、大変参考になりました。先生は、書いたものについて点をつけて評価するのが目的ではないので完璧なものを仕上げるために徹夜などしないようにとおっしゃっていました。 3日目の午後は課題作成の時間にあてられましたが、受講生は自分が書いたものをもって先生に見せに行き、指導を受けていました。私も先生にみてもらい個別にアドバイスを得ることができましたので、受講される方はこの機会を最大限に活用されるとよいと思います。 受講生が書いたものをみると、文章のボリュームや、形式は人によってかなり違いましたので、きちんと締め切りに提出をすれば問題がないのではないかと思います。 ③ 最終日の択一試験について 重要な点は講義内でも講師が繰り返し触れますのでしっかり講義を聴いて、各章の最後にある問題を解いておけば対応できる内容と思います。また、”The Appraisal Writing Handbook”を事前に読んでおけば、現地でテキスト見てテストに臨むよりはスムーズだと思います。アメリカ人の受講生は20分足らずで終わらせてさっさと帰っていましたが、所定の時間は2時間ありますので私は気にせずじっくり時間をとってやりました。 3. 感想 私はMAIの勉強を始めた当初から、アメリカで受講するReport Writingのコースがとても心配だったのですが、実際に文章を書き、先生や受講生に見てもらうことができてとてもよい経験になったと思います。 |
Ⅲ MAI取得後にMRICSの資格を取得する具体的な方法 |
| WIBリアルエステート・ファイナンス・ジャパン株式会社 富塚 祐子 |
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MAI保持者がRICSの資格のうち、MRICSを取得するダイレクト・エントリーの手続き「Direct Entry for Senior Professionals (MAI)」 をご説明いたします。(なお、RICSにはMRICSとFRICSの資格があります) ダイレクト・エントリーは、次の3つの条件が必要です。 ① 10年以上の鑑定実務経験 ② 管理職(シニアポジション) ③ MAIの資格 申請手続きは、日本担当のRICSアジア(香港)に連絡をするとMAIメンバー用の申請書が郵送で送られて来ます。 実務経験については、特にここ数年の評価関連の仕事内容を詳しく具体的に記載した履歴書を作成し、十分な実務経験があることを伝えました。当該履歴書とMAIの証明書、及びRICSの登録料を併せてRICSの事務局に登録申請し、約2ヶ月程度で登録完了の通知がきました。審査後登録までの費用は、初年度年会費($500.00)を含み概算で$800.00でした。 弊社の鑑定&リサーチ部門にはRICSの登録をしている鑑定士もいますので、RICSの動きや話題になっている事柄をアップデートしておくことは、業務を円滑に行う上で非常に重要になります。また香港、シンガポールなどアジアパシフィックではRICSの資格者も多く、RICSの活動も盛んですので、MRICSの取得をお勧めします。 以 上 |
米国不動産鑑定協会(AI)教育プログラムのご紹介 |
| 国際委員会 委員長 前川 桂子 |
| 国際委員会の国際評価業務関連グループから、海外教育プログラムの紹介として米国不動産鑑定協会(Appraisal Institute)の教育プログラムと、世界的に高い評価を受けている認定資格(MAI)の取得方法など、ご紹介いたします。 米国の鑑定評価理論や評価手法を学ぶことは、グローバル化する鑑定評価の知識として、会員のお役に立つものと思います。 世界市場を理解し、将来の鑑定業界の適切な戦略を描くことのできる人材が輩出することを願っております。 |
| 国際委員会委員 (国際評価業務関連グループ) 中島 和人(不動産鑑定士、AIアソシエイツ) |
| AIアソシエイツになる動機は、MAIの資格取得を目指す方や、アメリカの鑑定評価理論・実務手法を勉強したい方などそれぞれでしたが、具体的な手続きなどわからないことが多く、平成20年11月に有志の勉強会が発足しました。 この勉強会で、MAI資格者の方々の貴重な助言や、先行した受講者の具体的な経験談を共有化してまいりました。 この蓄積した情報を勉強会の枠を超えてご紹介し、あとに続く方々がより効率的に勉強できるように発信してまいりたいと思います。 スタートにあたり、MAIの先駆者である中山善夫国際委員会専門委員にAIとMAIのご紹介をお願いいたしました。 また、2009年にMAIの資格を取得された五十嵐殉也国際委員会専門委員には、具体的な国内受験の手続きをまとめていただきました。 次回以降は、アソシエイツの方々による受講感想文やMAIを取得された方々の体験談などを掲載する予定です。アソシエイツには、留学経験のない方や英語を学びながらの方も参加されております。また、若い方ばかりではありません。皆様のご参加を期待しております。 ご質問等は、鑑定協会ホームページトップページの「お問合せ」コーナーまで、メールにてお願い致します。「MAI(米国不動産鑑定協会の認定称号)」コーナー中の「国内受験等に関するQ&A」(後日掲載予定)にてお答えいたします。 宜しくお願い致します。 |
MAIコーナー開設のご案内 |
| 国際委員会専門委員(国際評価業務関連グループ) 中 山 善 夫 (不動産鑑定士、MAI、MRICS、CCIM) |
| 皆様方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 この度、「MAIコーナー」を開設することとなりましたので、ご案内申し上げます。本コーナーは、米国不動産鑑定協会(Appraisal Institute)の認定称号であるMAI(Member, Appraisal Institute)のご紹介をするものです。現在、わが国には5名のMAIがおり、そのうち3名が本年、2009年に取得したばかりです。約20名の方が目下、MAIを目指してがんばっています。このように、わが国においては、数が非常に少なく、このコーナーをご覧になっている方の中でも、MAIについてご存知ない方も多いと思います。このコーナーは、MAIについてご紹介し、目指される方の道しるべとして、情報提供等をすることを目的としたものです。 米国には州の不動産鑑定士の資格があり、約8万人あまりの資格保有者がいます(日本と比較してはるかに多い)。州の資格を取るには、一定のコース履修や実務経験が要求されますが、取得することはさほど難しくありません。それでは、この州の鑑定士資格とMAIとはどのような関係になっているのでしょうか?州の資格は、約20年前にスタートし、当該州で鑑定の仕事をする場合には必ず必要とされるもので、いわば車の運転免許のようなベーシックなものです。 一方、MAIは米国不動産鑑定協会(AI)という民間団体の称号です。世界大恐慌後の1930年代にスタートし、約80年の歴史があります。現在、MAI保有者は約5000人で、米国では、鑑定業界の最高峰の称号として認識され、また、世界的にもMRICSと並ぶ世界的な鑑定士資格(グローバルパスポート)として、高い評価を得ています。 私がMAIを取得したのは2001年です。もともとMAIに関心を持ったのは、(a)日本の鑑定評価制度のお手本となったのが米国の鑑定評価制度であり、米国の鑑定評価に関心があったこと、(b)今後、グローバル化が進展し、海外とのつながりが重要になると考えたこと等によります。 MAIを実際に取得してみて、本当によかったと思っています。では、MAIになるにはどうしたらよいのでしょうか?所定の要件(例:コース履修、レポート作成、実務審査、最終試験)がありますので、これを充足する必要があります。一時期に大量の暗記をしたり、合格率10%という日本の鑑定士試験とそもそも異なります。MAIになるには、要は、1つ1つの要件をコツコツと地道に修了することが大切です。皆様への朗報としては、私が目指していた時期と比較して、現在の方が様々な利点があります。例えば、以前は、コースや試験は、米国まで行かなければなりませんでしたが、最近では、専門科目1つ(Report Writing)を除きその必要がなくなりました(例:インターネットや東京のテストセンター)。 本コーナーでは、MAI保有者及びMAI志願者の方に寄稿していただき、MAIとは何か?MAIになるためにはどうしたらよいのか?等、皆様方に有用な情報を発信していこうと思います。一人でも多くの方がMAIに関心を持ち、チャレンジされることを願ってやみません。 |
| 国際委員会 委員 中島 和人 |
| 第2回として、MAI取得の専門・必須科目の受講体験を掲載いたしました。皆様のご参考になれば、幸いです。 1. 510コース( Advanced Income Capitalization 必須2科目を含む) 担当 ; 東急不動産株式会社 中島 和人 2. 400コース( General Market Analysis and Highest and Best Use ) 担当 ; 財団法人日本不動産研究所 武内 朋生 3. 530コース ( Advanced Sales Comparison and Cost Approaches ) 担当;ユーロハイポ・ジャパン株式会社 富塚 祐子 4. 540 コース ( Report Writing and Valuation Analysis ) 担当 ; 株式会社 ヴェリタス 加藤 澄生 5. 550コース ( Advanced Applications ) 担当;アメリカン・アプレイザル・ジャパン株式会社 ライス 如美 各コースの概要は、AIのHPでご覧下さい。 510: http://www.appraisalinstitute.org/education/course_descrb/PDFs_for_Web/Course%20510/510TOC-OV.PDF 400: http://www.appraisalinstitute.org/education/course_descrb/PDFs_for_Web/course_N400G/GenHBUTOCOverview.pdf 530: http://www.appraisalinstitute.org/education/course_descrb/PDFs_for_Web/Course%20530/530TOC-OV.PDF 540:(受講が必要、日本での試験不可) http://www.appraisalinstitute.org/education/course_descrb/PDFs_for_Web/Course%20540/540TOC-OV.PDF 550: http://www.appraisalinstitute.org/education/course_descrb/PDFs_for_Web/Course%20550/550TOC-OV.PDF また、Q&Aのコーナーを掲載いたしましたので、あわせてご覧下さい。次回(最終回)は、最近MAIを取得された方々の体験談を掲載する予定です。ご期待下さい。 |
| 東急不動産株式会社 中島 和人 |
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1.自己紹介 東急不動産鑑定部に勤務しております中島です。2008年9月に、Appraisal Institute(「AI」) のコースを国内でも受験できる制度(チャレンジ制度)を知り、AIへの会員登録や勉強を開始しました。今回は、MAI取得のチャレンジ制度のうち、倫理規定とUSPAPの2つの必修科目とコース510の概要を説明します。 2.開始時期 2008年9月16日にAIのHPを通じ、アソシエイツ会員に登録しました。 3.必修科目 アソシエイツ会員は、次の2科目が義務化されており、コース510と一緒に申し込みをしました。 1) Business Practices and Ethics:計8時間のコースであり、2008年9月17日に申し込み、1ヶ月位で修了しました。自宅学習ができるため、自宅のパソコンを使って勉強しました。 2) 15-Hours National USPAP Course:計15時間のコースであり、2008年9月17日に申し込み、11月5日に国内で試験を受け、修了しました。試験は、自宅のパソコンでは対応できず、専用のコンピューターで試験を受けられるPearson Professional Centers-Tokyo(場所は麹町)で受験しました。 これらの必修科目は、一度修了すると5年ごとに更新する必要があるため、510以降のコースを終えた後に受験した方が効率的かもしれません。私の場合、海外の評価基準(IVS、USPAPやRICSなど)に興味があったため、必修科目から受講することにしました。 4.コース510(Advanced Income Capitalization) ・ 試験を国内で受けるチャレンジ制度で申し込みました。2008年9月に申し込み、テキストが郵送されましたが、勉強はUSPAP終了後の11月からとなりました。試験は、12月17日にUSPAPと同様、Pearson Professional Centers-Tokyoで受験し、修了しました。 ・ コースは、収益還元法が中心であり、考え方などの基礎的な内容ではなく、具体的な計算や数式の理解などが主でした。 ・ 講義の内容は、理論の説明のあとに、計算例題が多くあります。英語力の面からは必修の2科目は文章中心であり、このコースの方が取り組みやすかったと思います。 ・ 具体的な計算から理論の意味が理解できた点が多くありました。例えばエルウッド式の構造やインウッドとホスコルド式などは、文章を読むよりも、具体的な計算問題を通じた方が、分かりやすいと思います。 ・ 割引率と還元利回りの具体的な違いや、還元利回りに対応する純収益の考え方なども、計算例を通し、米国の収益還元法についての基本的な知識を理解できました。 ・ DCF法のリスクの織り込み方も、キャッシュフローに織り込むものと利回りに反映するものなどに違いがあり、具体的な例題を通じ、理解できました。 ・ 収益価格の試算過程のデータを積算価格や比準価格に応用する例など、他の手法と関連する講義も多くありました。 ・ コースのテキスト自体はよくまとまっていますが、コースの指定文献も、大変役に立ちました。 Appraisal of Real Estate, 13th Edition http://www.appraisalinstitute.org/store/p-117-appraisal-of-real-estate.aspx Dictionary of Real Estate Appraisal http://www.appraisalinstitute.org/store/p-65-dictionary-of-real-estate-appraisal.aspx ・ このコースでは特に、金融電卓が必要です。テキストにはHP(ヒューレットパッカード)12Cを中心に、使い方の説明がありますが、個人的には、入力した数値の検証ができ、計算速度が速いHP17Bをお勧めします。 5.最後に 現在では、AIのアソシエイツ会員も増え、一緒に情報交換できる仲間も格段に増えました。相談できる仲間の有難さとMAIの先輩方の暖かいご支援に感謝しております。是非、多くの方のご参加を期待しております。 |
| 以 上 |
| 財団法人日本不動産研究所 武内 朋生 |
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1. 自己紹介 財団法人日本不動産研究所の武内朋生と申します。国内外の不動産鑑定評価業務に携わっています。現在、MAI資格の取得に向けて学習をしております。以下ではMAI資格取得のために必須となってくるレベル2専門科目の中の1つであるコース400(General Market Analysis and Highest and Best Use )の概要について簡単にご説明をいたします。 2. 受講時期 2008年の6月頃にAIのアソシエイツ会員に入会をしました。400コースは2009年の5月中旬に受講しました。 3. コースの概要 コースに申し込むとテキストが送られてきますが、まず電話帳ほどのボリュームはあろうかというテキストの分厚さに圧倒されました。ただ、学習する内容は比較的日本の概念と類似する部分が多く、相違する部分についても対比でとらえることができ、思っていたよりは取り組みやすかったと思います。 コースの概略は大きく分けて市場分析に関する部分と最有効使用の分析に関する部分に分けられます。市場分析に関する部分は市場分析に関する総論と、オフィス・商業施設などのアセットタイプに応じた分析方法に関する内容で、具体的には6ステップとよばれる市場分析の手順に関する説明や、商業施設の規模に応じた名称、オフィス床の範囲に応じた名称、オフィス・商業の将来的な需要予測とそこから捕捉可能な需要がどの程度あるかの計算などです。一方、最有効使用の分析については複数想定される使用方法の中からValueが最大となるものを計算によって求める、というような内容がメインでした。計算自体はそれほど難解なものは無く、具体的な事例に即した問題ですので理解に苦しむようなことはほとんどありませんでした。 コースの修了試験は50題、4時間の択一式の試験です。テキストに載っている問題を繰り返し解き理解することで十分対応が可能な内容でした。なお、最終試験(Comprehensive Exam)受験の際は同じ内容を再度学習する必要があります。個人的には後の復習の補助になるよう、記憶が呼び覚ましやすいように簡単なメモなどをつくっておくといいかと思いました。(でないとComprehensive Exam 受験の際にすごく苦労します・・今の私のように。) 4. 電卓 400コースに限らず、レベル2コースについてはIRRやNPV、ローンの金利や返済の計算などのため、金融電卓の使用が許可されています。AIから使用が許可されている金融電卓は何種類かありますが、私や私の知っている国内受講生の多くはHP-17BⅡを使っています。通常の電卓と同様のキーストロークであり、液晶の表示によってキーの機能が表示されるのでそれほど苦労せずに操作に習熟することができます。「通常の電卓と同様」とわざわざ断って書いたのは、AIの許可する電卓の筆頭にHP-12Cがあげられているからです。ご存知の方も多いかとは思いますが、四半世紀前に発売されたこの電卓は逆ポーランド方式とよばれる独特のキーストロークが特徴で、習熟にはある程度の練習が必要です。米国の金融関係者の間では今でもこの電卓が主流らしいですが・・・・(真偽のほどはよくわかりません。) 5. 最後に 現在、私はレベルⅡコースの受講を終え、最終試験(Comprehensive Exam)の受験、実務経験の申請、レポートの作成に向けた準備を行っています。情報交換をしてくださるMAI受講生の方々、MAI受講にご理解とご支援を頂いている方々にこの場を借りて御礼を申しあげます。まだまだ先は長い道のりですが、一日でも早く資格を取得し、実務に活かせるよう1づつ課題をクリアしていきたいと思います。 以上、簡単ではありますが今後、MAI資格を目指される方にとって少しでも参考になれば幸いです。 |
| ユーロハイポ・ジャパン株式会社 富塚 祐子 |
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1.自己紹介 ユーロハイポジャパンにて内部リスク管理を行っています富塚です。2008年5月頃にAIへアソシエイト登録を行い、昨年の10月頃から勉強を開始しました。本稿では必須科目の530 Advanced Sales Comparison and Cost Approaches について説明します。 2.スケジュール 500シリーズの内容は相互に関連している部分もあるので、内容を覚えているうちに次の科目を受験した方がいいだろうと思い、11月に500シリーズのほとんどの科目のテキストを入手した後、なるべく早い時期に試験を予約しました。510から530までは2008年の12月から2009年の1月の間に受験を終えました。 3.コース内容 Sales Comparison (取引事例比較法) ・ 基本的には手法の適用方法は日本の取引事例比較法と同じです。ですがAdvanced(応用)ですので、時点修正の査定方法や事例の確認の仕方など、実際の手法の適用に関する細かい部分について具体的に実務に沿って説明されており、興味深い内容になっています。例えば時点修正は関数電卓を用い、Liner-Regression(回帰分析)やLog関数を使って予測するアプローチなど、グラフやイラストを使って、実際の電卓の操作を示しながら丁寧に説明がなされています。 ・ さらに米国では売買等の取引事例について、鑑定士自らが仲介業者や売買当事者に直接ヒアリングをして内容を分析し、確認していくことになっています。このときのインタビューの仕方、電話での会話の進め方など、鑑定以外でも応用範囲の広い内容が盛り込まれ、実際のグループワークやデモンストレーションを通じてより理解を深めるような仕組みになっています。日本語でも整理することが難しい内容を英語の例文を多用して説明されているので、この部分を熟読するだけでも英語での要点のまとめ方や誤解のない表現方法など、とても学ぶことが多いと思います。 Cost Approaches(原価法) ・ 基本的な考えは日本の原価法と同じですが、やはり各プロセスごとに実務に照らして丁寧に学んでいくことができます。 ・ 例えば再調達原価もReplacement Cost とReproduction Costの違いや、減価修正の仕方もPhysical/ Functional, Curable/Incurableに分かれて、それぞれの内容、Curable /Incurableの判断の仕方、これらの要素を分析した上での、実際の減価額の査定方法など、演習問題を使いながら、細分化された計算シートを埋めていく形式で積算価格を査定します。 ・ さらにデヴェロッパーの利益の考え方についても、どの時点で考慮すべきかという基本的なスタンスの違いから、キャッシュフロー分析を通じ、実際の収支計画へのインパクトを考えていったりと、とてもダイナミックな分析を通じて学ぶことができます。 4.試験 試験センターでコンピューター形式の終了試験を受けますが、各科目とも2時間程度の選択式で基本的にテキストの問題に沿って出題されます。電卓の使い方、専門用語の使い方に慣れておく必要があります。 5.最後に 昨今では収益還元法が主流となり原価法や取引事例比較法はどちらかというと収益還元法の補足的な扱いになりがちですが、この530は各手法での試算価格を求めるだけではなく、この手法を通じて考え方の幅を広げたり、インタビュー技能や収支シュミレーションなど鑑定実務全般にわたり広く活用できる知識の習得を目的とした非常に興味深い講座です。 |
| 以 上 |
| 株式会社 ヴェリタス 加藤 澄生 |
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1.自己紹介 株式会社ヴェリタスの加藤です。港区で独立開業しております。2008年1月にAppraisal Instituteへの会員登録や勉強を開始しました。以下にコース540の概要・感想を述べます。 2.コース540(Report Writing & Valuation Analysis) ・ 受講にあたり諸般のスケジュールを考えると、ピンポイントで3月しか日程が取れず、フロリダ州ボカ・ラトンでの受講となりました。かつて先進国首脳会議の会場にもなったという高級リゾート地とのことで、太平洋を越えアメリカ大陸を横断してやってきた日本人の私を熱烈に歓迎してくださいました。ただ、午前は講義、午後はホテルに帰って宿題に取り組む、という一週間でしたので素晴らしい街並みを満喫する余裕はありませんでした。 ・ 面白いのは講師陣のご経歴です。評価書の書き方および評価分析の講義である以上、受講生の関心は文章表現と評価内容の双方に及びます。そこで文学博士のアラン先生と不動産鑑定士のリチャード先生がペアで講義をしてくださるのです。異なるスキルを備えたトップ・プロを揃えるところがとてもアメリカンだと思います。 ・ 講義内容には英語固有の、日本語には該当しない点もありましたが、受動態と能動態といった両言語に共通な事項もありました。また、評価分析でアメリカの鑑定と言うと収益分析が進んでいるという印象を抱きがちですが、むしろ原価法がすごく精緻に適用されています。減価の要因ごとに減価額を査定したり、経済的総耐用年数を取引事例から抽出したりしています。 ・ このように、文章表現技術や評価分析も勉強になったのですが、それ以上に印象深かったことがあります。まずは初日の昼休みの会話です。アラン先生がいたずらっぽい笑みを浮かべながら私に「日本では鑑定士が評価額を決めるんだって?」と言います。そして一呼吸おいて「アメリカでは市場が決めるんだよ」と言うのです。市場メカニズムとはある意味最もかけ離れた心の世界を専門領域とする文学博士がこのような市場信奉を抱くあたりがさすがアメリカンです。証券界の出身で、日本とアジアで2回もバブルの熱狂とその崩壊をくぐりぬけ、過度の市場至上主義が市場の機能不全を招くのを目の当たりにしてきた私など、とてもここまでの市場信奉は持てません。 ・ 次は最終日のリチャード先生の講義を終えるにあたっての結びの言葉です。 「私はバンドをやっています。メンバーは5人いて、うち3人が哲学博士です。なので、当然哲学の話題になることがあります。その時に彼ら専門家は、残った素人が理解できる平易な言葉で議論します。我々を会話に入れてくれるのです。これが本当に高度な知識や考えを持つエキスパートであることの証しなのではないでしょうか」といった内容です。 3.受講を終えて リチャード先生のご指摘は、私の評価書に対する考え方に大きく影響を及ぼすこととなりました。 茶道では「稽古とは、一より習いて十を知り、十よりかえるもとのその一」という教えがあるそうです。究極を知るからこそ簡易・平素な表現で核心をつくことができる、それが極めるということなのだ、というとても日本的な価値観が実は国境を越えて共有されている、ある意味普遍的な価値観であるということをアメリカで学んだのです。以降、評価書を書くときには「同窓会で旧友が集まった時に使わないような表現は避けた方がいい」というリチャード先生のアドバイスを思い起こす機会が増えました。 期せずして熱烈な歓迎を受け、また、異なる文化に触れて技術以外にも収穫のあった講義でした。皆様におかれましても機会があればぜひ受講なされることをお勧めいたします。 |
| 以 上 |
| アメリカン・アプレーザル・ジャパン株式会社 ライス 如美 |
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1.自己紹介 アメリカン・アプレーザル・ジャパンのライスです。日本人です。2005年にAIの会員となり、当時はまだ日本で受験することが出来なかったため、1年に1、2コースずつ米国にて受講して参りました。今回は必修科目の最後のコースである550 (Advanced Applications)について簡単にご説明させて頂きます。 2. コース内容 ・ コース550では今まで勉強してきた評価・分析手法を、実際にどのように適用していくのかを、ケーススタディーを行いながら、皆でディスカッションを通して理解を深めることを目的としています。そのため、510~540を既に修了していることが必要です。 ・ ケーススタディーは、事務所ビル、賃貸住宅、開発法(宅地)及び工場です。 ・ 講義では、毎日午後は5~6人のグループに分かれ、類型毎のケーススタディーについて評価を行い、翌日の午前中に各グループ毎に発表し、クラスでディスカッションを行うという構成になっています。5日間のディスカッション+6日目に試験という日程です。 ・ ディスカッションは洞察を深めることが目的ですから、基本的に「このように評価すべき」という形では教わりません。誰もが論理的に納得できるかどうか。他の考え方は無いか。もっと良い方法はないか。というスタンスでした。 ・ テキストでは、これらのケーススタディーの中で、実際支払賃料と市場賃料との差額の分析、開発前・開発中・開発後・安定稼働後の考え方、人口増加率等の市場分析から対象不動産の需要吸収力の導き方、建物修繕想定の分析、取引事例から建物の経済的耐用年数の査定といった分析を行い、実際に計算するように作成されています。 ・ 従って、日本で試験だけ受験する場合は、新しいことが少ないという点では簡単ですが、今まで学んだことが前提となりますので、510~540を受験後、忘れる前に続けて受験されると良いでしょう。この場合2、3日程度の勉強時間でも合格可能だと思います。 ・ 必須科目のうち日本での受験が認められていないのは、この試験ではなく、評価書を提出するレポートライティングのコース540のみですが、この550も米国で是非受講したい科目です。海外の鑑定士と5日間もディスカッションができる機会など普通はありませんから、日本で試験だけ受験するのはもったいないと思います。私は留学経験がありませんので、このような講義に参加できたこと自体も貴重な経験となりました。 3.最後に 私は英語が苦手でしたので、当初MAI取得ではなく、510~530の3コースの習得を目標として受講を開始しました。日米の評価の違いを知っていれば海外のクライアントやレビューアーに対し、より的確に説明できると思ったからです。実際受講してみると、どの講義でも電卓を叩き、価格形成要因を実際の数字にすることを学ぶため、海外クライアントは関係なく、評価の理解を深めることが1番の目的となりました。そして、毎回、米国での受講は怖くて逃げ出したかったのですが、講義が充実していたため、結局日本で受験が可能となってからも米国での受講を続けました。今では5コースが終わってしまい正直寂しいです。日本で勉強されている他の方々も、皆様とても楽しんで勉強されています。年々気軽に勉強できる体制が整って来ておりますので、MAIという資格に興味が無い方でも、是非気軽に始めて頂ければと思います。 |
| 以 上 |
| 国際委員会 委員 中島 和人 |
| 第3回(最終回)として、MAIを取得された方々に受験の動機や資格登録までの経緯などをご寄稿いただきましたのでご紹介いたします。 MAI登録の順番で 市川 丈様 (不動産鑑定士、MAI) 五十嵐 殉也様 (不動産鑑定士、MAI) 岸田 豊彦様 (不動産鑑定士、MAI、MRICS、CCIM)にお願いし、 最後は日本人として3番目のMAI(現在は登録されておられませんが、塚本 勲様、そして中山 善夫様に次いで3番目)であり、長きにわたり多くのAIアソシエイツのよきアドバイザーを務められている 荒川 正子様(不動産鑑定士、MAI)にお願いいたしました。 中山 善夫様をはじめご寄稿いただいたMAIの皆様、AIアソシエイツの皆様、ご協力いただいた鑑定協会事務局に感謝いたします。有難うございました。 今後も鑑定協会会員のお役にたちそうな情報を、随時発信してまいります。 3回にわたり、お読みいただき有難うございました。 |
| MAI取得後の今と未来予想 |
| サヴィルズ・ジャパン 市川 丈 不動産鑑定士、MAI |
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はじめまして、サヴィルズ・ジャパンの市川と申します。 まだ、日本では馴染みの薄い社名ですが、ロンドンで1855年に設立された不動産総合サービス会社です。2004年に日本で現地法人化し、現在50名余りのスタッフ。鑑定部には6名、私はヘッドを務めています。日本での知名度はまだまだなだけに、クライアントの約9割が外資系、英文レポートが全体の7~8割を占めています。 MAI受験の動機は、前職で持った「海外クライアントとのコミュニケーション向上」だったのですが、現在、英文レポートを納品する立場になって、MAIを持った怖さとありがたみの両面を痛感しています。 これまで本コラムで、MAIを取得した方々から受験アドバイスは十分に提供されていますので、本稿ではMAIを看板に海外クライアントへ評価書を発行している鑑定士として、MAI取得によって得た現在の業務と将来展望について書かせていただきます。 (もちろん個人的な体験記に過ぎないことをご了承ください)。 日米の鑑定評価とも、価格を求める手法は同様です。 ただし、海外クライアントへの評価レポートに携わっているなかで、次の異なる点に気づきました。 1) 市場分析、取引事例に用いられる量と質 日本で得られる不動産情報は量・質ともに貧弱です。豊富な事例を見慣れている海外クライアントに対して、常に説明責任という点で苦難に直面します。日本の評価書のように、4つ程度の取引事例・賃貸事例を用いて、「鑑定士が判断した」と記載したところで、彼らがその先に居並ぶ投資委員会などで審議するうえで、なんら要領を得ません。 2) 不動産特有の用語の概念と定義 常に同じ土俵で語っていては痛い目にあうことがあります。異なる商習慣を背景として、用語の概念や定義が、日本と海外とで微妙にズレている場合が少なくありません。MAIの取得では、用語の定義・概念の整理は必修ですが、もちろん、MAIとRICSでも定義の差はあるでしょう。異なる文化圏のクライアントから受託する場合には、常に定義と概念の違いを意識する習慣は、実務に携わるうえで必要だと思います。 3) レポーティングの方法 英文評価書と言っても、私の場合、「日本文の英訳」という意識は持っていません。英文評価書は海外クライアントが利用することを念頭に、説明の仕方を工夫するよう意図しています。つまり、日本語の文脈で構成した文章を英訳しても、英語の論理に慣れた人には非常に読みづらいものです。したがって、手前味噌ですが、弊社の実務では、海外ライセンスを持たないスタッフにも、日本語からではなく英語からレポーティングするよう習慣づけています。 また、1)に関係して、少ない事例ではあっても、英語の「Because(なぜなら)~」の書き方に慣れてくると、他の側面から情報を付け足すような書きぶりになり、どうにか市場分析・取引事例の不測を補う書き方になっていきます。つまり、材料(情報)が少ないなら、調理方法(書き方)を工夫して、クライアントに満足されるレポートに仕上げる意識が持てます。確かに日本における不動産評価である限り、情報不足は付きものですから、いかにして、少ない情報でも理路整然とした説明をしていくかの技術が求められます。 これら実務での問題点と工夫は、MAI取得後、格段に意識するようになりました。 海外クライアントは、委託する日本の鑑定士に「MAI」も備わっていることに気づいた瞬間から、その鑑定士への期待度を増します。皆さんが、海外の不動産評価を提携先などに依頼する際に、提携鑑定士が日本の鑑定資格を持っていれば、コミュニケーションやレポートの品質に一定の安心感を持つ状況を想像いただけると思います。MAI取得に際して、最低限の用語の概念と定義、鑑定評価特有の表現方法を学び、日本の評価との違いに思い当たります。この点は、以下の個別コースとComprehensive Exam(総合試験)で十分に体得できるでしょう。 400番 General Market Analysis & HBU(市場分析と最有効使用) 510番 Advanced Income Capitalization(収益還元法) 530番 Advanced Sales Comparison & Cost Approaches(取引事例比較法と原価法) 550番 Advanced Applications(各手法の総合適用) しかし、海外クライアントは、名刺やメールに記載されたMAIの名称だけでは満足しません。評価額に至るアプローチの取り方、評価に際しての論点・問題点などを頻繁に意見交換することになります。この点では、540番 Report Writing and Valuation Analysis(レポーティングと評価分析)、デモレポートの提出、実務実績に関するインタヴューにおいて、英語で表現する術を磨いてください。 ただし、海外クライアントの要求水準はとても高く、また鑑定士に求められる説明の内容も複雑多岐におよびます。MAIを取得した後、クライアントへMAIのライセンスを示した暁には、それだけ評価技術に対する期待のハードルが上がりますが、それに応えられるだけのトレーニングを積めば、鑑定評価の展望がさらに開けると思います。求められる鑑定評価の水準が引き上げられれば、英語も評価技術も向上させざるを得ません。しかし、その瞬間に、確実に視野が日本の外側に向かい、新しい展望が開けると思います。 以上、大そうな風呂敷を広げましたが、まだ私は、MAI取得して1年を経過したばかり。本稿の前段に記した問題意識を持ち始めた段階で、とても後段の展望までは満足に対応しきれていません。そんなMAIかけ出しの私から皆さんに申し上げられること。それは、「MAIをコレクションではなく、業務拡充の通行手形と考えている方々にとって、MAI取得は、鑑定評価の考え方・技術の両面において、新しい展開への入り口になる」ということです。決して、MAI取得が終点ではないと思います。 今後、一人でも多くの方が、MAIを始めとしたグローバルライセンスを取得され、お互いがさまざまな問題意識と解決策を持ち寄ることで、そう遠くない将来、日本の鑑定評価を取り囲む環境がいっそう整備されることを願っています。 |
| 以 上 |
| アメリカン・アプレーザル・ジャパン 五十嵐 殉也 不動産鑑定士、MAI |
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1.自己紹介 五十嵐と申します。現在、アメリカン・アプレーザル・ジャパンという資産評価会社にて、タンジブル・アセット・サービス(聞き慣れない言葉ですが、有形固定資産という意味で、不動産や機械設備などの動産をいいます)の部門に属し、主に不動産の鑑定評価やアドバイザリー業務に携わっています。MAIの登録順では、中山さん、荒川さん及び市川さんの次となり、米国留学せずに取得した最初の鑑定士となります。 2.MAI取得の動機 本社が米国の為、有形固定資産評価の上司から、不動産評価はMAI・機械設備評価はASAの取得が奨励されていました。また、英語、特に不動産の専門用語の勉強に役立つと思い、MAIの取得を目指しました。 3.取得までの経緯 2003年にアソシエイツ登録を行い、同年4月にUSPAPと倫理規定のコースを米国にて受講し、2005年2月に510と550を受講しました。このとき痛感したのは、550はそれまでの4コース(400, 510, 520, 530)の受講を前提とし、授業はディスカッションが中心であること、食事が毎日ハンバーガーであったことなどから、毎日がとてもつらく、MAIではなく、サッカー選手になり、ワールドカップ出場を夢見た日々でした。その後、練習もしないので、その夢も叶わず、2005年7月に520と530を受講しました。この時までは米国内での受講が一般的でしたが、以降、米国外でも簡単に受講できるようになり、2006年には北京で540を受講しました。ただし、授業はAIより派遣の米国人による英語とはいいながら、受講者は中国人50人と日本人1人であり、テキストも中国人用は翻訳済みであったことや授業中のディスカッションもいつの間にか中国語となったこと、ちょうどドイツ・ワールドカップの期間中にもかかわらず、ホテル内のテレビが故障し、観戦のため外出し、居酒屋の街頭テレビを現地の方と一緒に見る羽目にあうなど、非常なアウェー感を堪能しながらの受講でした(特に、クロアチア戦でのPKのときは、もうXXXでした)。その後、2007年4月に北京にて最終試験を受け、4科目中3科目を合格し(というか1科目落ち)、2回目は現在と同様に、2008年7月に東京で受け、また落ち、3回目を2009年に受験し、やっと合格しました。デモレポートは、普段の業務とは違うことをしたかったので(嘘です。本当は面倒だったのとページ数が稼げるからです)評価書のデモレポートではなく、J-REITのNAV分析を行い、リサーチプロジェクトとして2008年2月に提出しました。その後、2009年に実務経験のインタビューを、AIの担当者と東京にて行い、全過程を修了しました。 4.取得後の感想 現在、日本国内のMAI取得者は数名であり、その希少性のメリットを著しく甘受しているため、出来れば、一人も増えて欲しくないのが、正直な取得後の感想です。それ以外の感想としては、実務上は、時点修正率、地積過大の減価率、経済的耐用年数、経済的減価(Economic Obsolescence-エコノミック・オブソレセンス)、評価レビューのチェック項目、複合不動産の比準など、ほかの方のコメントの通り、日本国内では経験しづらいことも勉強でき、更には禁煙にも成功し、MAIを取得してとてもよかったと思っています。また、仕事上は、(禁煙も含め)本社の上司や同僚、海外投資家や監査法人のレビューアーなどへのいいアピールにもなっています。 5.後進の受講者へのアドバイス 繰り返しになりますが、出来ればこれ以上増えて欲しくないのですが、興味のある方は、今がいい機会だと思います。昨今のIFRS(国際財務報告基準)やUSGAAP(米国会計基準)などの会計のコンバージェンス、IVS(国際評価基準)やGIPS(投資パフォーマンス基準)などに代表されるように、グローバル化した昨今、国内で感じる以上に、日本の不動産に対する海外からの関心は増しており、それに伴い、MAIへの需要は高まっております。また、中山さんや荒川さんのお陰で、AIにおける日本の鑑定士の地位も向上し、多くの科目が免除され、米国の大学院へ留学しなくても、MAIの取得は容易になりました。また、チャレンジ制度を活用し、短期間で取得する道もあり、英語が得意でなくとも、国内でほぼ完結できるので、その分費用も安くなりました。また、単純な英語の勉強よりも実践的ですし、MAIの情報も共有化でき、非常に効率的になっているからです。最後になりますが、中山さんからは色々とご指導頂き、荒川さんは鑑定士の同期でもあり、MAIの先輩でもあることから、市川さんや岸田さんからは、先を越されるというプレッシャーを通じ、北村さんからは、ホテルと心理学の専門家としての刺激を頂戴し、感謝しております。また、中島さんのご協力によりこのような場を設けることができました。また、社内では、本社の副社長であり、IVSC(国際評価基準委員会)の理事でもあるHackett氏、有形固定資産評価のトップであるMoran氏(MRICS&ASA)、2010年にMAI取得予定の同僚であるライスさんや機械設備のASA勉強中の町田さんには、MAIの試験前やこの原稿の最中の仕事を嬉々として肩代わりしてもらうなど、必要以上にお世話になっております。涙で声にならないの(と面倒なの)で、この場を借りて、お礼を言いたいと思います。皆さま、色々と有難う御座いました。 |
| 以 上 |
| MAI取得まで |
| ドイツ証券 岸田豊彦 MAI, MRICS, CCIM |
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はじめまして、ドイツ証券の岸田と申します。現在、不動産投融資案件の価格審査業務に携わっております。ニューヨークを中心とした世界主要都市に経験豊富なスタッフがおり、全世界の不動産をカバーしています。スタッフは全員MAIまたはRICS(英国)の資格者であり、会社からその取得を要請されていたことがMAIを目指した動機です。 職場柄、多くのMAIホルダー達と密接な職場環境に置かれながらも、噂に聞くそのハードルの高さから、受験に及び腰だった私でしたが、ここ数年でかなりの部分の国内受験が可能になったという環境の変化や、少しずつ日本人受験希望者が増えて来たこともあり、2008年4月にアソシエイト登録を終え、MAIに向けた一歩を踏み出しました。MAIとして登録されたのは2009年7月ですので、取得まで約1年4カ月を要しました。個別のコースの内容や感想は他の方々も説明されているとは思いますが、簡単に私の取得までの経緯を説明しますと、2008年5月に「Business Practices and Ethics」及び「International Valuation Standard」のオンライン講義とレベルIの免除申請、翌6月からほぼ1カ月おきに「400」、「510」、「530」、「550」を進めていきました。基本的には送られてきたテキストを読んで例題を解き、本試験に臨むだけなので自分のペースで進められました。日本では全く馴染みのない手法もあり、理解に時間のかかるパートもありましたが、全体的に内容は平易で試験問題自体も素直な設定の印象でした。AIの指定する関数電卓(私の場合はHP-17BII)を使っての計算問題も多いので操作自体のマスターは必須となります。また、スケジュール管理上のアドバイスになりますが、東京のテストセンターでは、それぞれの科目で受験できる日程がかなり限られていました(現在改善されていましたらご容赦下さい)。よって、自分が希望するスケジュールで受験できるとは限らず、数か月待たされることもありました。時間が経つと忘れる事も多く非効率です。早めに受験日を押さえてから、学習に取り組まれることをお勧めします。 10月には、「540」をカリフォルニアのガーデングローブで受講しました。ロードサイド商業施設のケーススタディを与えられ、マーケット分析、各手法の適用、評価額の決定までを6日間かけてA4で約20ページ程度のレポートにまとめて提出しました。幾つかのワークグループに分けられ、午前中は講評や新しいテーマの説明を行い、午後はレポート作成時間となります。時差ぼけもありタフな1週間でしたが、一貫して平易な表現を心がけ、曖昧な記述を慎めという指導は大変参考になりました。最終日にレポートを提出した後の爽快感を、是非皆さんも味わって下さい。 11月には、いわゆるコース系の受講をすべて終え「Comprehensive Examination」の受験資格を得て、翌年1月に東京で受験しました。こちらも受験日に制限があるので計画的に申し込むようご注意ください。これはレベルIとIIの総まとめ試験で、2日かけて計約15時間程度行われます。耳栓をして無音の中をPCと長時間向き合う独特の環境ですので、非常に肉体的精神的に疲れる試験でした。レベルは各コースのテストと同程度で恐れることはありませんが、「General」パートは、今までの履修と全く関係のない数学的な一般教養や米国のマクロ指標など時事的な問題も一部(数問)出題されました。 その11月から翌1月までの間に、経歴審査用の4500時間の業務サマリーを作成し、AIからの3本の指定評価書を含めて5本の評価書を英訳しました。正直言いまして面倒な作業だったのですが、4月にインタビューアーが来日した際には、物件の特性や、マーケット状況、各評価手法のプロセスでの判断基準について等、詳細な説明が求められましたのでその準備だと思って、案件の再確認をされるのがいいと思います。 2月には最難関のデモレポートのクレジットを残すのみとなりました。これを満たす選択肢としては3つあるのですが、王道であるデモレポートは、それを支えるデータ(事例など)の入手の限界を感じて断念し、代用を認めているリサーチペーパー(研究論文)を選択しテーマの事前承認を受けました。興味を持っていた物流関連への投資マーケットにフォーカスしましたが、参考文献もほとんどなく関連データ等で苦労しました。テーマ次第では行き詰まるケースもあると思いますので気をつけられた方が良いと思います。今までのコースと異なり、個人的にはかなりのパワーが必要でしたが、途中で気を抜くと脱落すると思い、集中して取り組んだ結果、6月に論文を提出しました。そして約2カ月の審査期間を経て7月末に合格通知が届き、晴れてMAI登録となりました。なお、今後は第4のルートであるオンラインでのE-DEMOという制度が徐々に拡大されそうです。これはアドバイザーとの事前のチェックとフィードバックを繰り返して、要求されるデモレポートを仕上げる合理的な制度のようです。定員や申込要件などまだ若干ハードルが高そうですが、どなたかチャレンジされ先達となってもらいたいと思います。 合格後は、世界中の同僚から祝福のメールが多数届き、いかにこの資格がグローバルに高く認知されているかを実感しました。米国での540出席の際には、州公認の鑑定士であるクラスメートが、MAIでなくても同様の仕事はできる、しかしその称号を持っているか否かは大きな違いであり、高いステイタス性を持っている、端的にいえば評価書のフィーが全く異なるのだと話していました。また、多くの米国人ですら途中であきらめることが多く、平均で年間約100名程度しか認定されないMAIは尊敬に値する称号なのだと力説していたことが印象的でした。そんな話を聞いて俄然やる気にもなったのですが、時間はかかってもひとつひとつのステップをクリアしていけばよいMAIは、私たち日本人にとっても決して遠いゴールではなく、その過程も大変有意義なコースになっていると思います。 なお、この場をお借りして、他の不動産関連資格であるCCIMとMRICSを紹介させていただきます。CCIM(Certified Commercial Investment Member)は、米国の不動産投資アドバイザーの資格であり、北米を中心に約30カ国で約9000名のメンバーがいます。簡単に言えば商業用不動産の投資分析の専門家ということになりますが、取得までのコースでは、基本的な収益分析の他、ファイナンス等も加味した投資採算性の分析や、複数案件の比較など、より実践的な投資分析法を学べるカリキュラムとなっています。弁護士や会計士も多く取得しており、米国の不動産業界では高い評価を得ている資格です。アジアにおいても、台湾や韓国等ではCCIMブームであり保有者も数多くいますが、残念ながら日本ではまだ数名です。もうひとつのMRICSは、Member of Royal Institution of Chartered Surveyorsの略称です。RICSとは英国を本部とする世界146カ国に14万人超のメンバーを擁する専門職能家組織で、カバーする領域も建築土木から美術品までと多岐にわたり、その一部に不動産の鑑定評価も含まれています。国際的な評価基準であるレッドブックを発行しているのはこのRICSであり、そのメンバーであるMRICS及びFRICSは、高い専門性を持つプロフェッショナルとして世界中で広く認知されています。残念ながらこちらもまだ日本では数名しか取得していません。 現在、MAIも含めたこれらの資格は、取得にあたっての必要条件の一部免除などを資格間で認めており、例えばMAIやCCIMを取得していれば、プラス10年以上の実務経験の認定を受けることで、MRICSが取得できるルートなどもあります。その他の一般的な取得方法も含め、ご興味のある方は各サイト(CCIM: http://www.ccim.com, RICS: http://www.rics.org)を訪れていただければと思います。 最後に、是非、一人でも多くの方がこれらグローバルパスポートを手にすることを願っております。 |
| 以 上 |
| 荒川 正子 不動産鑑定士、MAI |
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MAIは便宜上米国不動産鑑定士と称されることが多いですが、MRICS(英国王立勅許鑑定士)と共に鑑定士のグローバルパスポートとして認知されております。 そもそも私がMAI取得を意識したのは、1990年代後半、不動産鑑定士として不良債権のバルク評価等に追われていた頃でした。当時、米国を中心とした投資家が次々に日本にやってきて、不動産デューデリといった業務が注目されだし、また依頼者に提出したレポートについて英語で説明を求められることもありました。その時に、予期せぬ質問など単に語学力の問題ではない理解の相違を感じることが何度かあったのです。こうした経験を通じて、日米の不動産市場や慣習、鑑定手法の違いを含めて英語で日本の不動産を説明できるようになりたいという目標を持つようになりました。そこで、アメリカの不動産大学院で学びながら現場を知るとともに、当時まだ日本人で2人しかいなかったMAIへの挑戦を決意した次第です。 動機やきっかけは様々であり、MAIになって何ができるのか、何に役立てるのかといった取得後の活用方法も人それぞれだと思います。例えば、少なくとも、名刺にMAIと書いてあることで、「英語ができる」「アメリカの不動産鑑定手法を知っている」、またMAIになるには日本同様実務経験要件もあるので「一定の経験を積んだ鑑定のプロである」ということを、口に出さずとも相手に伝えることができます。たとえ日本語のみで仕事をしていくにしても、そもそもMAIとなるまでのコースを受講し、試験を経る過程で、グローバルな鑑定評価アプローチ等に対する理解が深まりますので、それ自体が強みになります。そういった意味では、私はリサーチプロジェクトではなく、アメリカの物件についてデモンストレーションレポート(鑑定評価書)を作成したのですが、そのレポートを仕上げるまでの経験が今や大きな財産となっていますので、目標に併せてプロセスも含めて検討されるといいと思います。 今やAI自体が、言葉の壁を越えた不動産鑑定評価にかかるグローバルなプロ集団としての高い意識を持っていますので、今後益々MAI取得にかかる環境は整っていくと思います。これまで、実務経験のインタビューはアメリカのAIの担当者が行っていますが、日本人MAIが審査員(Screener)のトレーニングを受け、認定を受ければ、実務経験審査に携われますので、インタビューを日本語で行える可能性もあります。 グローバル化の波は鑑定業界にも押し寄せています。AIのAnnual Conferenceには世界中の鑑定のプロが集まってきますので、さらなる知識もネットワークも得ることができます。この機会を通じて、MAIに挑戦される方の一助となれば幸いです。 |
| 以 上 |
MAIの国内受験について |
| 国際委員会専門委員(国際評価業務関連グループ) 五十嵐 殉也 (不動産鑑定士、MAI) |
| アメリカン・アプレーザル・ジャパン(株)の五十嵐です。不動産アドバイザリー及び評価業務に携わっています。鑑定評価の依頼者には、USGAAPやIFRSなど国外の会計基準に対応する企業も多く、そのため、本社よりMAIの取得を強く薦められていました。 MAIを取得する前に、まず、AI(Appraisal Institute)のアソシエイト会員に登録しなければなりません。これは、以下のHPから簡単に申し込むことができます。 http://www.appraisalinstitute.org/membership/join.aspx また、MAIを取得するためには、以下の5つの条件があります。 ① レベル1基礎科目の受講と試験の合格 ② レベル2専門科目と必修科目の受験と試験の合格 ③ 最終試験の合格 ④ デモ・レポートの提出と承認 ⑤ 実務経験(4,500時間) 詳細な内容については、以下を参考として下さい。 http://www.appraisalinstitute.org/designations/Mai_Sra_sum.aspx 以前までは、①~⑤の全てが必要であり、MAIの取得は非常に難しかったです。特に、試験は全て米国のため、その都度、出張する必要があり、多くの時間と費用を犠牲にする必要がありました。また、基本的な情報が不足しており、「何をどのくらい準備すればいいのか」などがよくわからないままでした。その為、MAIを取得している方は、国内では、米国の大学院へ留学する方が中心でありました。 しかし、数年前より、日本の不動産鑑定士であれば、①は全て免除されるようになりました。また、②~④は、その殆どを国内で受験することが可能になり、海外出張する必要はなくなりました。更に、⑤は実務経験のインタビューを受ける必要があるのですが、最近では、AIのインタビューの担当者が日本へ来るようにもなりました。 そして、米国でも同様ですが、MAIの一番の難関である④のデモ・レポートも、米国外のアソシエイト会員向けに、リサーチプロジェクトにて代用できるようになりました。実際、私も、Jリートに関する調査・分析を行い、その論文をリサーチプロジェクトとし、承認を得ることができ、米国へ留学せずに、MAIを取得することができました。 不動産鑑定士の英文登録証明書の発行について、以下を参考として下さい。 http://www.mlit.go.jp/appli/kanbo01_hy_000073.html 以上のMAIの条件と不動産鑑定士による免除をまとめると、以下の通りとなります。 ![]() 以上から、今後益々、日本国内でMAIを取得される方は、不動産鑑定士を中心に増えていくことが予測されます。また、AIには、MAIだけでなく、実務上、非常に役に立っているコースや書籍もいくつかあります。例えば、ホテルの調査・分析、インタンジブルアセット(無形資産)・USPAPとIVSなどであり、最近では、金融危機下の評価などのコースもあります。 簡単ではありますが、日本国内の不動産鑑定士のなかで、MAIに興味のある方に有益な情報となれば、幸いです。 |
| 以 上 |
MAIに関するQ&A |
| 平成22年2月現在 |
| 番号 | 質問事項 | 回答 |
| 1 | 必須2科目・専門5科目の合格までの時間的目安 | 英語が得意な方:必須2科目と専門5科目を6ヶ月から9ヶ月ぐらいのようです。 |
| 英語を勉強しながらの場合:必須2科目を2ヶ月、専門科目5科目を1科目を2ヶ月として10ヶ月、合計1年ぐらいではないでしょうか。540のための渡米時期と来日される面接官のインタヴューについては、個人差がありそうです。仕事の状況等にあわせ、マイペースで進めることが出来ます。 | ||
| 2 | 費用について | 最新の状況は、AIのHPでご確認下さい。 |
| AIアソシエイツ年会費 $310 | ||
| USPAPコース $275 | ||
| 倫理コース $158 | ||
| 専門科目(540をのぞく) $350 4科目計$1,400 | ||
| 専門科目(540) $695 (航空券・宿泊費は別途必要です。総予算50万円程度でした。) | ||
| 総合試験(4科目) $375(再試験は2科目以上$250、1科目$150) | ||
| デモレポート又はリサーチプロジェクト $350(見直し$250) | ||
| 実務経験(4,500時間)申請 $300 | ||
| 3 | 英語の目安 | コース540を受験までに、ある程度のヒヤリングとライティング(タイピング)が必要。 |
| インストラクターの英語は理解できたが、ディスカッションの内容は聞き取れず、聞きなおした。 | ||
| 面接までには、質疑応答に耐えられるレベルが必要。 | ||
| 実務経験のインタヴューでは過去の鑑定評価書の英訳が必要になる場合が多いので、時間があるときに自分の関わった案件の英訳を行い、鑑定について英語で表現することに慣れる方がいいでしょう。 | ||
| 4 | 受講の順番は | 米国での実務慣習やUSPAPを学ぶために必須科目からはじめ、510から550の順番で受講された方と専門科目から受講され必須科目を最後にされた方もおられます。 |
| 500番台のコースは順番は指定はありません。540の渡米の前に550を取得することも可能です。 | ||
| 5 | 大学卒業証明と鑑定士登録証明 | 卒業証明(英語)は卒業された大学へお問い合わせ下さい。 |
| 不動産鑑定士登録証明書は下記をご参照下さい。(登録証明申請書に英語と特記しました。) http://www.mlit.go.jp/appli/kanbo01_hy_000073.html |
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| 6 | 上記書類の送付について | PDFとしてメールで送りました。FAXは不要でした。 |
| 7 | 参考図書 | 郵送代が高いので、まとめの購入をお勧めします。また定期的に割引サービスがあるようです。 |
| お勧めは、Essentials Packageです。辞書など大変役たちました。 | ||
| http://www.appraisalinstitute.org/store/p-119-appraisal-institute-essentials-package.aspx | ||
| "Appraisal of Real Estate"はアメリカの鑑定評価実務書ですので、最新のものを一冊持っておくことをお勧めします。 | ||
| 8 | 試験で使える関数電卓について | 試験に持ち込める電卓は以下のように指定されています。 |
| Hewlett-Packard (HP) 10b, 10bii, 12c, 17bii and 19bii or the TI BA II PLUS. | ||
| AIのテキストは12cの扱い方をベースに書かれていますので、12cをお持ちの方も多いですが、Cash Flow, Statistics, Functionの使いやすさから19bIIを持っている方もいます。実務での使用頻度なども併せて考慮されるといいかと思います。 | ||
| 9 | HP17b2の日本語マニュアル | http://h10025.www1.hp.com/ewfrf/wc/product?product=81577&lc=ja&dlc=ja&cc=jp# |
| 10 | HP12Cの日本語マニュアル | http://h10025.www1.hp.com/ewfrf/wc/manualCategory?man_lang=ja&lc=en&dlc=en&cc=us&lang=en&product=81575 |
| 11 | Demo Reportについて | 日本のMAI取得者の中には、鑑定のDemoReportを提出された方とResearchPaper(研究論文)の代替案を採られた方といらっしゃいます。それぞれ一長一短がありますので、Demo Report の段階になって、そのときの環境、dataのAvailabilityを考慮して検討されることを勧めます。2009年からEdemoという制度も導入され、アメリカ外に居住するアソシエイトにもDemoReportの機会の選択の幅が広がりました。 |
| 12 | 奨学金について | AIは少数民族や女性を対象とした奨学金を設けており、受講費用の補助が受けられます。日本人の方、女性の方は特にこのような機会を利用してMAIを目指していただきたいと思います。 http://www.appraisalinstitute.org/education/scholarship.aspx |
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